今年、阪神淡路大震災から26年が経ちます。
今まで災害時のトイレ問題に取り組んでいく中で、災害が起きた際、すぐに困ることが「トイレ」になることは、以前よりは知っている方が増えてきたと思います。
ですが、まだまだトイレの備蓄は足りておらず、その中で「マンション特有のトイレ問題」があること知りました。マンションのトイレ問題、この機会に考えてみませんか?
【マンション編】
その1
耐震・耐火化が進んでいるマンションは、震災が起きても倒壊や延焼のおそれが少ないですが、「災害があったら避難所に行く」という意識は根強いそうです。一方、都市部では避難所の数には限りがあり、自宅避難ができない方が優先となります。
最近では被災後に体調を崩さないためにも、自宅に住み続ける方が増えており、特にコロナ禍ではそのことが重要視されてきています。
被災後にどう過ごしたいのかを考えて、自分たちで備えることも必要となります。
その2
マンションやオフィスビルなどの場合、水道管や下水管に問題がなくても、ポンプや各家庭に水を送る部分が電気で動いているため、停電により断水になることも。水の汲み上げができずトイレが使えなくなることも起こります。
その3
独自に災害用トイレを備えているマンションやビルも増えてきました。ですが、災害時はエレベーターが使えなくなることが多く、1日何回も階段を使ってトイレに行くことになります。災害用トイレの数は足りないので、大渋滞ということも。
ご高齢の方やお子さんは毎回付き添いが必要になるかもしれません。夜間に屋外に出るのは不安だという声も多く、こちらも付き添いが必要になってきます。
自宅避難では「自宅でトイレができること」が必要となります。
その4
最近のマンションは、このような漏水は起こりにくいと言われていますが、下水管の破損に気付かずトイレを使用すると、階下に汚水が漏れ出し、損害賠償が発生するケースもあるそうです。
マンションによっては、こうした二次災害を防ぐために、災害時のトイレ使用禁止をルール化しているところもあるようです。
最後に・・・
排泄後の臭い問題となります。
災害後、しばらくの間は自治体によるゴミ回収は行われません。
生活基盤である水・電気・ガスが使えなくなるように、ゴミ出しもできなくなります。
排泄後のゴミに限らず、食事や生活で発生するゴミは、普段のゴミ集積所では保管しきれず、衛生上の問題もあり、自宅で保管することが多いようです。臭いが気になり、野外にゴミを保管したくても、避難経路の問題や、臭いトラブルが起こるのでベランダにゴミを置くことを禁止しているところも。
もし自宅避難になったら、何が必要なのか…。この機会に考えてみませんか?
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